2022/03/17 19:48

どもども、「古着屋 五月雨」スタッフのトモです。




僕は割と多趣味な人間なのですが、その中の一つが「読書」なんですね。



ビジネス書や好きなサッカー選手の自伝など色んなタイプの本を読みますが、昔から一番好きなジャンルは一貫して「小説」なんです。






皆さんは小説って読まれますか?






そもそも文章が読むのが好きじゃないって方、かなり多いと思います。



でも、それって本当にもったいないなぁと思うんですよね。



僕だって別に文章を読むのが好きってわけでもないんです。ただ抵抗もそんなにないっていう、それだけなんでよね。



その中でも小説は、読んでる期間、その小説の世界観に浸れてる感じがたまらなく好きなんです。




だから読み終えた時、好きだった作品であればあるほど、満足感と共にどこか虚無感に襲われるんですよね。



良い映画を観終えた後と同じ感覚だと思います。




なので今日は、そんな僕がガチでオススメする小説を一つだけ、紹介したいなと思います。




本当はもっと他にも知って欲しい作品たくさんあるんですが、永遠に終わらなくなるのであえて一つに絞りますね。








僕が一番好きな作家さんでもある辻村深月さんの、こちらの「オーダーメイド殺人クラブ」という作品。





基本人に勧めると、「え、ホラーなの?」とか「大丈夫それ?」と不審がられますが、全然心配いらないですよ。



これは「青春小説」です。



「え、そうなの?」と御思いの方のために、ざっくりと物語を紹介しますね。







主人公は「小林アン」という名の、見た目の可愛い中学二年生の女の子。




学校のヒエラルキーの中でも最上位に位置するような、「ザ・リア充」といった立ち位置にいるイケイケ女子です。




皆さんの学校にも、そういう子、きっといましたよね。



中学生当時の僕なんかは、そんな女子には怖くて話しかけられなかったという思い出しかないですね。




そんな小林アンには、誰にも言えない、とある秘密があるんですね。




それは、「血や死体といった猟奇的なモノに惹かれてしまう」という、まぁ何とも中二病くさい嗜好なんですね。





しかしそれは本人も自覚してるんです。「きっと私は中二病だ」と。




それでも、彼女のそういったグロテスクなモノに覚える美的センスはどこまでも本気で、ついには一つの想いに辿り着いてしまうんです。




「私は、いつ誰に聞いても思い出されるような、そんな凄惨な事件の被害者少女Aとして死にたい」





ちょっとしたことですぐに変わる女友達との関係や、何をしてもダサい母親といった周りの環境に辟易とするアンは、この世界で生き続けていくということに、執着心を持てなくなるんです。




それだったら、誰にも真似できない、私だけの持つ世界観を表現した、綺麗な死に方で、私はこの世を去りたい。




そんな想いを抑えきれなくなっていったアンに、ある大きなきっかけが訪れます。




クラスメイトである「徳川」という男子。彼はアンとは対称の世界にいる、いわゆる「陰キャ」です。



なのでお互いに席が隣になっても、一言も会話などしたことありません。




しかしある日、アンは偶然、「こいつなら、私とこの世界観を共有できる」と思える出来事と巡り合います。




そこでアンは、徳川に提案します。







「私を、殺してくれない?」と。








私たち二人で、今までなかったような、大きな事件を創り出そうと。









以上が大まかなあらすじになります。




タイトルの「オーダーメイド殺人クラブ」とは、こういうことなんですね。




僕は初めてこの小説を読んだのが、それこそアンたちと同じ中学二年生の頃くらいだったと思います。



読書好きな母が、たまたま市の図書館から借りてきてたんですよね。



そこで「読んでみたら?」と勧められ、何となく読み始めたんです。



そして、読み終わった僕は、完全に心を打たれてました。




そこからですね、僕が小説を好きになったのは。



それまでは全然本なんか読まなかったのですが、なぜかたまったま気が向いて読んだこの「オーダーメイド殺人クラブ」が、
当時の僕にはクリーンヒットしたんですよね。



あの時、「めんどくさいから読まねぇ」と本を開くことがなければ、もしかしたら未だに読書なんかしない人間だったかもしれません。




でも今は読書好きな自分を、結構誇らしく思っちゃってます。




それは、たくさんの知識や感動を本から与えられてきたので。





ネット社会の今、別に本に固執する必要はないのですが、それでもだからこそ本を読む人ってすごく減ってきてるんですよね。




ケータイの画面ばかり見つめてても、きっといつもと変わらない景色があるだけ。




本は、ページを開けば、必ず新しい何かを見せてくれます。




読書嫌いな人は、まだ自分にとっての「これ!」ってモノと巡り合ってないだけなんですよ。





人間1人1人それぞれにとって、自分の人生を揺るがしてくれるような、そんな本が必ずこの世界のどこかに存在してるんです。





僕にとっての「オーダーメイド殺人クラブ」のようにね。





ちょっと書き過ぎちゃいましたが、このブログを読んで少しでも読書の素晴らしさについて刺激を与えられたらいいなと思います。





でも何を読めばいいのか分からないと言うそこのあなた、





だったらとりあえずこの「オーダーメイド殺人クラブ」を読め。





あと、きっかけをくれたお母さんありがとう。





以上。解散。