2022/08/17 20:47
こんにちは、トモです。
またまた久々の更新になってしまいましたが、カンタベリー留学日記の続きです。
前回は休みの日にペリにパブまで連れて行ってもらった話でしたね。
あの日は本当にイイ思い出です。救われました。
今日はその後の話です。
確か、パブに行った次の日からですかね。
急にペリが家に帰ってこなくなったんです。
ペリとはいつも大体晩御飯をみんなで食べる時に一緒だったのですが、全然その食卓に姿を現さない日が続いたんですよね。
おかしいなと思ったので、ホストファザーのナイジェルに「ペリはいつ帰ってくるの?」と聞くと、
「たぶん明日だ」と言われ、次の日になっても帰ってこなかったのでまた僕が聞くと
「3日後くらいに帰ってくるはずだ」と言われ、また3日経っても全然帰ってこないのでまたまた同じ質問をすると
「1週間後くらいじゃないか?」みたいな感じで、なんかどんどんはぐらかされる感じが続いたんですよね。
するとそんなペリを待ち焦がれる僕に釘を打つように、ある日の夕食後、ホストマザーのアンナさんが僕に怖い顔をしてこう言ってきたんですね。
「トモ、ペリはもうここには帰ってこないの。ペリは良くない人だから。彼の考え方はクレイジーだから」
「だからもうそのことは聞かなくていいの」
突然、そう告げられたんですね。
あまりにも想定外で、本当にショックでした。一体ホストファミリーとペリの間に何があったのか。
その時は理由を教えてくれませんでしたし、今でも分からぬままです。
でも僕は、ペリが大好きだったんですよね。その時までで一緒にいた時間はたったの2週間くらいだったんですけど、彼は僕に本当によくしてくれました。
毎晩、一緒に映画の話をしながら夕飯を食べて。
いついかなる時もジョークで場を盛り上げてくれて。
気分が沈んでいた僕を、パブまで連れて行ってくれて。
ペリのパソコンと映画のDVD集を貸してくれ、好きな時に観ていいぞと言ってくれて。
「何で英語もまともに話せない、自分よりずっと年が離れた日本人の自分に、ここまで優しくしてくれるんだろう?」
ずっとそう思ってました。それくらいに、彼の親切心は底抜けだったんです。
そんな彼が家にもう帰ってこないということを告げられた夜は、20歳の男がベッドで普通に泣きました(笑)。でも本当に悲しかったんです。
しかしペリの部屋には、まだ全然彼の荷物が置かれて残ってたんですよね。
だから僕は、「どこかのタイミングで必ずペリが一旦戻ってくるはずだから、その時にちゃんと直接お礼を言おう、この感謝を伝えよう」
そう思ってたんです。
でもある日の学校帰り、ペリの部屋をふと覗くと、備え付けの家具だけが残った、簡素な部屋になってました。
「あぁ…みんなが家にいない時間に来ちゃったのか…」そう思いました。
考えれば当然かもしれないですね。直接ホストファミリーと顔を合わせるのも気まずかったんでしょう。
あの時の嫌味なぐらいに綺麗だった部屋を見た瞬間の寂しさは忘れません。
今思えば、何で置手紙を残しておかなかったんだろうという後悔ばかりが募ります。
感謝の想いを綴った手紙を書いて、そっとペリの机に置いておけばよかったんですよね。
でもきっと当時の僕は、「ペリとはまた必ず会える」と思ってたんだと思います。
最後に会って、どうしても直接感謝を伝えたい。そういう想いが強かったんですよね。その想いは今でもちゃんと僕の中にあります。
結局ペリとは、パブに連れて行ってもらった日から一度も会えていません。
でも僕は、彼のことは一生忘れません。
ペリにとっては、僕と出逢ったことなんか、彼の人生のなかで本当に小さな一部に過ぎなかったと思うんです。
でも僕にとって彼との出逢いは、本当に大きなモノでした。
「この人みたいになりたい」
純粋にそう思えたんですね。
もしかしたら、ペリは許されざることをしたのかもしれないです。
ホストファミリーを怒らせるような、間違ったことをしたのかもしれないです。
それでも僕は、人生で最もどん底にいた時に優しくしてくれたペリに、一生感謝の念を忘れません。
だからこそ、
「僕はペリに救われたんだよ」と、彼にちゃんと伝えたかったですね。
ペリの持つ明るさだけで救われる人もいるんだよってことを、彼に知ってほしかったです。
そんな話でした。
皆さんも、感謝の想いを伝えたい人がいるならば、ちゃんとすぐに伝えるべきですよ。
ありきたりなフレーズですが、人生本当に何が起こる分からないですから。
*ふと撮りたくなったカンタベリーの夕焼け。
以上です。これにて「ペリ編」は終了ですかね。ただ留学日記はこれからもまだまだ続きます。
マジでこれからは更新頻度ちゃんと上げますので、お楽しみに!